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「偽りの日本バブル」の正体は「スタグフレーション」

公開日: : 最終更新日:2014/05/27 おすすめ記事, 外交ヨミ, 政治, 経済

2013-01-22_214831安部政権の「アベノミクス」を囃し立てる連中は、「インフレ=好景気」という勘違いをしている。「エネルギー政策」や「通貨供給」が先に伴わない外資の仕掛けである「円安」を容認してしまったところに、「アベノミクス」が失敗しそうな要因がある。

「インフレ」であろうが「デフレ」であろうが、モノの価値は変わらない。その商品価値は「価格」という点で評価はされるが、「インフレ」「デフレ」のように全体の価格水準が上がる下がるもので評価されるものではない。

商品価値はあくまでも相対的に他の商品より高いという点において評価される。

「インフレ」というのは全体の価格水準が上がることだ。
逆に、「デフレ」というのは全体の価格水準が下がることだ。

これらが「景気」の変動と一緒に語られるのは景気が良ければ人は高いモノを買おうとするからである。高いモノが売れるなら、他のモノも高くても買ってもらえる可能性が出てくる。すると、供給する側はモノの価格を高くする。これが広範に進んでいくと「インフレ」という現象になる。

実際には、「景気」が良くなるという動きには何らかしらのセクターでモノが売れるという現象が必要になってくる。例えば、「ITバブル」のように特定セクターの景気が良くなって購買意欲が世間に広範に広がっていくことで「インフレ」が起きる。これは「良性インフレ」(ディマンド・プル・インフレ)である。

だが、このように良い始まりばかりではない。

特定セクターの商品価値が高くなる要因には「売れるから」ではなく、「原価が高くなるから」という別要因もありえる。

例えば、エネルギー価格が上昇した場合、生産する商品の原価に直撃する。この場合、商品価値は上らないのに物価だけが高くなる。当然、売上は上がるが原価も上がるので利益は変わらない。

この場合、特定セクターから景気が良くなるわけではないが、物価上昇が広範に広がってインフレが起きていく。しかし、誰もそれを買う財力がない。これが「悪性インフレ」(コスト・プッシュ・インフレ)である。

 インフレ = 景気が良くなる ではない

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このように、「良性インフレ」を起こすためには全体価格の上昇が望ましいわけではない。物価上昇をすることがイコール「景気が良くなる」ということでもない。

「インフレ」というのは全体の価格水準が上がることだ。
逆に、「デフレ」というのは全体の価格水準が下がることだ。

これは景気の浮き沈みだけで起こることではない。

「アベノミスク」が単純に物価の上昇のみを主眼に置いたり、「アベノミスク」をトリガーにしてエネルギー価格が上昇したりする場合は悪性インフレとなる。

今回の件で「円安」に振れたのは、「悪性インフレ」に日本を誘導しようとする外資が為替を操作したことによる。エネルギーを海外に依存する日本は「円安」がエネルギー価格に直撃するのである。故に、この円安は「アベノミクス」をトリガーにした外資の攻撃であるのだ。

 円安で景気を良くするにはエネルギー問題は不可避

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「アベノミクス」では物価上昇(インフレターゲットの設定)と円安誘導による景気回復を目論んでいるわけだが、事はそう単純ではない。

前述のように、単純にインフレにしただけでは全体の価格水準が上がるだけで景気が良くなるわけではない。景気を良くしたいのであれば、特定セクターの商品価値を上げて利益を出すのが良いのである。例えば、「公共投資」というのもその一環だ。

「公共投資」以外にも特定セクターの商品価値を上げることは出来る。例えば、円安にすることで外需産業の売上が上がる。これに、コスト高が伴わなければ利益は単純に増える。これが「良性インフレ」(ディマンド・プル・インフレ)だ。

しかし、実際には「円安」でまずエネルギー価格の上昇が最初に起きる。それを原価に反映することでインフレが起きる。これでは、元も子もない。

中には(よくあることだが)原価上昇を商品価格に反映できない企業もある。つまり、景気が良くなっていないのに物価だけ上げても誰も買わないからだ。これは利益が減少するパターン「悪性インフレ」(コスト・プッシュ・インフレ)である。

このように、まずは「円安」という動きをしても外需産業が利益を出せる期間が存在しない限り必ず「悪性インフレ」になる。今回の「アベノミクス」はこの期間をなんとか長くしなければ成り立たないことになる。

当然、安部政権といえども、このような基本は理解している。(安部は経済オンチなので理解していないかもしれないが、側近が分かっていれば良い)

しかし、今回はスタートダッシュが悪かった。「アベノミクス」がいきなり円安を招いたのである。円安は単純にエネルギー価格の高騰を招く。なぜ、本ブログでは安部が自民党総裁になった時点で「エネルギー政策が必要だ」と主張してきたかはここにある。

円安に導びいて景気を良くするには、エネルギー価格が上昇しないことが不可欠なのだ。

つまり、国内でのエネルギー生産もしくは外国での利権確保が国家の最重要課題になるのだ。

 インフレとデフレのもうひとつの側面(スタグフレーション)

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インフレとデフレにはもうひとつ側面がある。それは貨幣の価値が変動することだ。「インフレ」とは日本語訳で「通貨膨張」という。

インフレになれば貨幣の価値が下がる。つまり「円安」になる。円が安いということは円が余っているということでもある。故に、貨幣の発行量を増やせば「円安」となり「インフレ」となる。

この場合、理論上は相対的に全体の物価水準が上がる純粋な「インフレ」になる。もちろん、他のインフレ要因もたくさんあるのだから、100%純粋インフレになることはない。

今回の「アベノミクス」のように、いきなり外資の為替操作による円安は貨幣供給がされて起きたものではない。後追いで貨幣供給を行わないと物価ばかり高くなって貨幣が流通しないという事態になってしまう。

つまり、買いたくてもお金がないという状況である。

この場合、景気は良くならないのに物価が上がるというインフレになる。これを「スタグフレーション」という。

このため、政府と日銀は貨幣供給量を増やさなくてはならない。これが遅れると、景気の停滞(stagnation)と物価の上昇(inflation)が重なった「スタグフレーション」になる。

ちなみに、「スタグフレーション」は供給側に問題がある場合にも発生する。「買いたくても商品がない」という状況がそれに該当する。

景気は良くならないのに、商品が供給されずに相対的に商品価値が上がることである。当然、物価は上がるため、景気の停滞(stagnation)と物価の上昇(inflation)が重なった「スタグフレーション」になる。

今回、気をつけなくてはならないのは、この「スタグフレーション」だ。

物価ばかり高くなって貨幣が流通しないことでも起こるが、むしろエネルギー価格高騰によってコストにそれを転化できずに企業が倒産することでも起こってしまう。企業が倒産すれば商品の供給が鈍るのである。

特に、大企業の倒産は致命的な「スタグフレーション」を生む。

故に、「アベノミクス」では通貨供給量の増大と大企業の支援を念頭に置くのである。

 「偽りの日本バブル」の正体は「スタグフレーション」

なお、リーマンショック直前に「いま、このチャートなら買い支えれば波動を変えられる。日本の最悪シナリオを回避できる可能性が高い。政府はどんな手を使っても株価を支えるべきだ。やらなければ、こどもたちが大人になる頃にはあなたの家族は食べる物も買えずに飢えてしまうだろう。そして、その後の日中戦争であなたの子供は戦場で死ぬことになる。」本ブログで主張した。つまり、スタグフレーション予測である。「偽りの日本バブル」とこれまで書いていることが多いが、要するに景気の停滞(stagnation)と物価の上昇(inflation)が重なった「スタグフレーション」だ。

「偽りの日本バブル」の正体とは「スタグフレーション」なのである。

 アベノミクスで円安になったと浮かれることのバカらしさ

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「エネルギー政策」や「通貨供給」が先に伴わない外資の仕掛けである「円安」を容認してしまったところに、「アベノミクス」が失敗しそうな要因がある。

本来、安倍政権は過剰な円安をコントロールしなくてはいけない立場」という記事で書いたが、外資が円安に仕掛けたのは「日本の衰退が確定した」ことも要因にある。裏返せば米国の復活(2008年に書いた「アメリカは世界の工場を目指す」)が実現したということだ。これは、ドル高要因である。

前述してきたように「円安」が日本の景気を生み出すわけではない。単純に外需産業が利益を創出できれば可能だが、「円安」=「外需復活」ではない。あくまでも、「円安」になることで利益を創出できる期間があっての「外需復活」である。

今回のように、「円安」に振れた要因が「日本の衰退」&「米国の復活」であった場合、日本の外需産業は円安を享受できないのだ。

故に、安部政権がやらねばならないのが「円安のコントロール」と共に「円安にするなら、外需産業の保護=エネルギー政策」が必須なのである。

単純に、円安マンセーなどと奇声を上げるだけの似非右翼はバカと断言しよう。

 ゴールドの話

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こういった話は過去何度か書いている。主張はほぼ変わらないが、その時々の「経済・国内・外交」政策を考慮して書いてきた。

そして、それに伴いいつも書くのが「ゴールド」の話である。ゴールドは「インフレ・デフレ」の話で無視してはいけない話題である。

一般に、インフレでは物価の上昇を伴うので貨幣の価値は低くなる。基本的には「貨幣=ゴールド」(要するに代替品)なのでゴールドの価値は低くなる。

デフレでは物価の下落が伴うので貨幣の価値が高くなる。この場合、ゴールドの価値も高くなる。

だが、一般的には、インフレ・デフレ時のゴールドの価格上下は「金利」の話として説明されることが多いが、金利で説明するとわけがわからないことが多い。上記のように「インフレ=貨幣の価値が下がる=ゴールドの価値が下がる」と「デフレ=貨幣の価値が上がる=ゴールドの価値が上がる」と覚えると良い。

なお、金利で説明するとこうなる。

——————-

インフレでは物価の上昇が発生するので貨幣の価値が下がると書いたが、インフレ時には金利が上がる。少しややこしいが、全体的な商品価値が上がるので金利も高くなるのだ。金利が高ければ、銀行に預金する方が良い。当然、金利のつかないゴールド(ここが貨幣と異なるところだ)より現金で預金することを考える。これは貨幣が求められている局面にも見えるが、実際には金利商品に目が言っているということになる。よって、インフレ時には貨幣=ゴールドの価値は低くなる。

デフレでは物価の下落が発生するので貨幣の価値が高くなる。デフレ時には金利が下がるので、銀行に預けておいても利益が少ない(金利商品に目がいかなくなる)。かといって、金利が低いので銀行に預けておいても面白くない。そこで「貨幣」の代替品である「ゴールド」に目が行くのだ。

——————-

この話、デフレの時の説明がやや理解しがたい。よって、金利でゴールドの価値を説明するのはやや難点がある。そもそも、デフレで金利が下がるので「銀行に預けておいても面白くない」という表現に無理がある。なぜなら、デフレでは市中に金が出回らないのは銀行預金からお金が出ていかないという理屈で説明されることもあるからだ。本来、デフレなら貨幣価値が上がるのだから、お金を使おうとするのが正しい姿だ。しかし、デフレだと賃金が下がるので、お金を使おうとしない。つまり、銀行預金からお金が出ていかないというよりも、使う資金がないというのが本来正しい表現になる。

よって、

インフレでは物価の上昇を伴うので貨幣の価値は低くなる。基本的には「貨幣=ゴールド」(要するに代替品)なのでゴールドの価値は低くなる。

デフレでは物価の下落が伴うので貨幣の価値が高くなる。この場合、ゴールドの価値も高くなる。

と考えるのがわかりやすい。

ゴールドの話は理解しにくいかもしれないのだが、要するに同じ商品を買うのに必要な貨幣量が多くなるか少なくなるかである。必要な貨幣量が多いほど(インフレ)、貨幣の価値が下がっていて多く出さないと買えないということだ。ゴールドで考えるとわかりやすい。

あなたは金地金を3本持っていました。
昨日は1本で牛丼が食べられました。
今日は2本で牛丼が食べられました。

要するに金地金の価値が下がっているのである。

だが、世の中の話はそう単純でもない。投資商品としてゴールドが喧伝されるからである。(本来は投資商品ではない)

デフレになると、資産を「ゴールドにしませう」と言い出す連中がいる(売れないからだ)。理屈は「物価が下がります。モノを持っていても価値が下がります。その下がり方は一様ではないので、モノの基準になるゴールドを持っていると確かです・・・」と言うのである。これは一理ある。貨幣がゴールドの代替品といっても、貨幣はインフレ・デフレに大きく影響する。しかし、ゴールドは商品でもあるため、貨幣の代わりに本来貨幣であったゴールドに逃避するのである。なぜなら、ゴールドは商品であり貨幣の代わりになるからだ。つまり、安定しているということなのである。物価が上がれば、ゴールドを高く売るチャンスもあるかもしれない。(まぁ、もちろん貨幣価値が下がるのでゴールドを売るタイミングは難しい。そもそも、ゴールドは投資商品ではなく、財産保全商品である)

とはいえ、投資商品としてのゴールドはデフレ時には他の物価同様に値下がりするのだから、貨幣が信頼できる局面ではデフレ時には貨幣で持っている方が得なことが多い。これが、デフレ時には貯蓄が優先されて市中に金が出回らないと言われる由縁である(実際には預金が優先されるのではなく、デフレや不景気の中で賃金が下がり何か買う余力がないだけである)。投資商品としてのゴールドとはゴールドではなく、あくまでも商品なのだ。

反対に、インフレになると「商品を買いませう」と言い出す。商品先物業者とか元気になってくる(要するに物価が上がるから差益で儲けましょうってだけだ)。ゴールドは物価上昇と共に高くるように見えるため(実際には値下がりする)投資商品としてゴールド買いましょうという話になる。しかし、実際にはインフレ時には他の投資商品も活況になってくるので目がいかなくなるし、本来貨幣価値が下がるので値下がりするのが常だ。

話を戻そう。ゴールドが一番強いのはインフレでも景気の停滞(stagnation)と物価の上昇(inflation)が重なった「スタグフレーション」になる場合だ。「スタグフレーション」とはなんであったか復習しよう。

「スタグフレーション」とは
買いたくてもお金がないという状況
もしくは、買いたくても商品がないという状況

であった。お金がないのは貨幣供給が減っているもしくは景気が悪いである。貨幣供給が減っているなら、本来の貨幣であるゴールドが見直される。景気が悪いなら、デフレであることが多いからゴールドに目が行く。買いたくても商品がない場合には、流通量が安定しているゴールドに目がいくからである。

ちなみに、スタグフレーションのみならず「ハイパーインフレ」でもゴールドは強い。

ハイパーインフレだと「牛丼1杯3億円」とかになるわけだが、貨幣がそれに追いつかないから大量の貨幣を持ち歩くことになる。しかし、ゴールドなら金地金も高くなっているわけで、他の商品との価値が安定しているため貨幣なんかよりゴールドを持っている方が安心なのだ。これが、ゴールドの価値が不変と言われる由縁である。(ゴールドは他の商品のように腐ったり劣化したりしないことも由縁)

よって、ゴールド業者はインフレでも「ハイパーインフレになるぞー」と大騒ぎしてゴールドを推奨するのである(笑)。ちなみに、これ2006年くらいの株高の時に奴らが散々言っていたことだ。実際には、本ブログで主張していたデフレになったがね。

ゴールド屋なんてのはバカなんである。

ちなみに、ゴールドでも金貨はダメだ。あれは割高な記念品の類である。そして、金ETFもダメだ。これはただの証書である(笑)。実際には金現物の取引がされていない架空の取引で、あなたが金地金を受け取れる可能性はなきに等しいのである。

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